- 2026年6月27日
喘息の検査でハウスダスト、ダニアレルギーがわかったらどうしたらいいの?
梅雨は気温と湿度が高くなり、ダニが最も繁殖しやすい季節です。喘息の採血検査等で「ハウスダスト」や「ダニ」にアレルギーがあると言われると、「何をすればいいの?」「家が汚いということ?」「全部きれいにしないといけないの?」と疑問に思われると思います。
ハウスダストの主要なアレルゲンはダニで、ハウスダスト1g中にはダニが数百匹~数千匹検出されます。中でもヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニの2種が多く検出されます。日本にはどちらも生息していますが、ヤケヒョウヒダニの方が若干陽性率が高い傾向にあります。
基本的にはダニは、喘息やアレルギー性鼻炎と関係しやすい代表的な室内アレルゲンです。ただし、検査で陽性だったからといって、必ずそれだけが喘息の原因というわけではありません。風邪、気温差、運動、ストレス、タバコ、花粉、職場環境など、喘息を悪化させる要因は人によってさまざまです。
そのため、ダニ・ハウスダスト対策は「喘息の薬の代わり」ではなく、「薬による治療と一緒に行う生活管理」と考えるのが現実的です。
ハウスダストにはダニが多く含まれる
ハウスダストとは、室内にたまる細かいホコリのことですが、実際にはさまざまなものが混ざっています。土や砂、衣類や寝具から出る綿ぼこり・繊維くず、髪の毛やフケ、食べかす、ペットの毛、花粉、カビ、細菌、昆虫の死骸やフン、さらにダニの死骸やフンなどが含まれています。
つまり、ハウスダストは「いろいろなアレルギーの原因物質が混ざったもの」と考えるとわかりやすいです。
そのため、ハウスダストに反応する体質があると、季節に関係なく症状が続くアレルギー性鼻炎や結膜炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの原因になることがあります。
特にハウスダストの中で重要なのがダニです。ハウスダストの主なアレルゲンはダニとされており、室内のホコリの中には多くのダニや、その死骸・フンが含まれています。
症状との関係を確認しましょう

検査でダニやハウスダストが陽性でも、実際の症状と関係しているかを見ることが大切です。たとえば、布団に入ると咳が出る、朝方に咳が強い、掃除中に息苦しくなる、梅雨時期に悪化する、通年性の鼻炎症状もある、という場合は、室内環境の影響が疑われます。
一方で、薬を使っても症状が続く、夜間や早朝の咳が強い、運動で息苦しい、発作を繰り返す場合は、生活環境だけでなく喘息治療の見直しが必要です。吸入薬の使い方、吸入後のうがい、治療が合っているかを医師と確認しましょう。
まず優先するのは寝室

ダニ対策で最も大切なのは、長い時間を過ごす寝室です。布団、枕、マットレス、シーツ、毛布などはダニが増えやすい場所です。まずは寝具の対策から始めるのがおすすめです。
シーツや枕カバーはこまめに洗濯しましょう。目安は1週間に1回で、洗える寝具は定期的に洗い、しっかり乾燥させることが大切です。
ダニは湿度が高い環境で増えやすく、60°以上の熱に弱いため、除湿や乾燥機を上手に使いましょう。防ダニカバーを使うことも選択肢の一つです。ダニの通過できない高密度繊維のカバーやシーツはより有効です。
掃除は「完璧」より「継続」が大切
ハウスダストには、ダニのフンや死がい、ホコリ、カビ、花粉、ペット由来の成分などが含まれます。床の掃除機がけはできるだけ毎日実行することが望ましいですが、難しい場合は少なくとも3日1回は行うようにしましょう。
掃除機は、床や寝具の表面をゆっくり動かして吸い取るのがポイントです。急いでかけるより、ゆっくり吸引する方が効果的です。掃除中はホコリが舞いやすいため、咳が出やすい方はマスクを着ける、窓を開ける、ロボット掃除機を活用するなどの工夫もよいでしょう。
床はカーペットや畳よりフローリングの方が掃除しやすく、ダニやホコリがたまりにくいとされています。布製ソファ、厚手のカーテン、ぬいぐるみ、布製クッションなどもホコリがたまりやすいため、ソファは革製やビニール製に替える、クッションやぬいぐるみなどは数を減らす、洗えるものを選ぶ、定期的に洗うことを意識しましょう。
湿度管理も重要です
ダニやカビは湿度が高い環境で増えやすくなります。室内の湿度は50%以下とし、高くなりすぎないように注意しましょう。梅雨や夏場、結露しやすい冬場は、換気、除湿機、エアコンをうまく使うことが大切です。
ただし、花粉症がある方は、花粉の多い時期に長時間窓を開けると症状が悪化することがあります。その場合は、空気清浄機、エアコン、除湿機などを利用し、室内に花粉を入れすぎない工夫も必要です。
ペットは寝室には入れないようにしましょう。
ペットが寝室に出入りする場合は、動物の毛やフケを餌にダニが猛烈に寝具内で増殖します。ペットは寝室には入れず、部屋を限定して飼育をするようにしましょう。また、夜入浴後に清潔なパジャマに着替えたらペットを抱っこするのは控えるようにしましょう。パジャマにフケがくっついてしまった場合、ペットが寝室に出入りする事と同じことが起きてしまうのです。
年1回の大掃除
室内環境中のダニ数は、管理の行き届かない部分での大増殖が認められることがありますので、年1回は大掃除の必要があります。床以外の、電灯の傘、タンスの天板なども年1回は徹底した拭き掃除をすることが望ましいでしょう。照明は天井据付型がベストです。
エアコンのフィルターにもホコリやカビがたまります。久しぶりに使う前にはフィルターの掃除を行い、内部が汚れていないか確認しましょう。
目に見えるカビが壁や床に発生した場合も、十分に清掃(できれば専門の業者に依頼)することも重要です。
まとめ
ハウスダスト・ダニアレルギーがわかったら、まずは寝室、寝具、掃除、湿度管理を中心に、できることから始めましょう。
喘息は、薬による治療と生活環境の調整を組み合わせることで、症状を安定させやすくなります。検査結果だけで不安になりすぎず、自分の症状と関係する悪化要因を一緒に確認していきましょう。

執筆者情報
佐藤 賢弥(さとう けんや)
医療法人社団南州会 東京品川フロントクリニック 呼吸器内科医師
【保有資格】
日本内科学会 認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
井上 哲兵(いのうえ てっぺい)
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長 / 医学博士
2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。
同年8月に三浦メディカルクリニックを開院し、以降も以下のクリニックを展開。
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ(1980年創業)
横浜フロントクリニック(2024年5月開院)
東京品川フロントクリニック(2026年1月開院)
自由が丘フロントクリニック(2026年10月開院予定)
新宿区分院(2027年12月開院予定)
三浦メディカルクリニック
【保有資格・所属学会】
医学博士
日本内科学会 認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医