- 2026年6月13日
東南アジアに渡航される際に接種すべきワクチンは?品川のトラベルワクチンセンターの内科医が解説!

東南アジア渡航時に検討すべき主なトラベルワクチンと標準的な接種回数をご案内します(渡航先・期間・活動内容により必要性は変わります)。
ほぼ全員に推奨されるもの
- A型肝炎: 2~3回(国産ワクチンは0・2~4週・24週の3回、輸入ワクチンは0・6~12か月の2回)。食べ物・水を介した感染リスクが高く、短期旅行でも推奨度が高いワクチンです。
- 破傷風:
1968年以後の出生の人/基礎免疫がある人:10年毎に1回
1967年以前の出生または接種歴のない人:基礎免疫として
3回接種後10年毎に1回(0、3~8週後、12~18ヶ月後) - 腸チフス:1回(2年有効)。地方部への渡航や長期滞在で検討します。
長期旅行者もしくは短期旅行者であっても通常の観光ルート以外に立ち入られる可能性のある方
- B型肝炎:3回(0・1か月・6か月)。長期滞在、医療行為の可能性、現地での密接な接触が想定される場合。
- 日本脳炎:基礎免疫がない成人は2~3回。農村部・水田地帯に1か月以上滞在する場合や蚊の曝露が多い場合に推奨されます。
- 狂犬病(曝露前接種):2~3回(0・7日、21~28日)。動物との接触機会が多い方、医療機関へのアクセスが悪い地域への長期滞在者に推奨。曝露前接種をしていても、咬まれた場合は追加接種が必要です。
- 麻疹・風疹(MR):抗体がない・接種歴不明の場合2回。東南アジアでは麻疹流行が散発しています。
接種完了までA型肝炎やB型肝炎は数か月かかるため、出発の2~3か月前(最低でも4~6週間前)にトラベルクリニックへ相談するのが理想です。渡航先の国名・滞在期間・滞在環境(都市部か農村部か)を伝えると、優先順位をつけた接種計画を立ててもらえます。
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QandA
東南アジア渡航のトラベルワクチンについてよくある質問と回答を提示しますね。
Q1. 短期旅行(3日~1週間)の場合、最低限どのワクチンは受けておくべきですか?
A. 短期でもA型肝炎は強く推奨されます。経口感染リスクが高く、短期間でも防ぐ価値が大きいワクチンです。次点で破傷風ワクチンです。ただし、A型肝炎は完全な免疫獲得まで複数回の接種が必要なため、出発まで時間がない場合は医療機関に相談してください(初回と1週間後の2回のみで渡航される方が多いです。)
Q2. ワクチン代が高いのですが、特に優先順位が高いものは?
A. 予算に制限がある場合は、以下の優先順を参考にしてください:
- A型肝炎(渡航期間・地域を問わず推奨)
- 破傷風(過去の接種履歴確認後、必要なら1回)
- 日本脳炎(農村部への滞在や蚊の曝露が多い環境に限定)
一方、B型肝炎や腸チフス、狂犬病は「滞在期間が長い」「医療機関へのアクセスが悪い地域に行く」など、具体的なリスク要因がある場合に優先順位が上がります。渡航先の詳細を医療機関に伝えることで、個別のリスク評価に基づいた優先順位付けが可能です。
Q3. ワクチン接種後、どのくらい経ってから渡航できますか?
A. ワクチンの種類により異なります:
- 不活化ワクチン(A型肝炎・腸チフス注射型など):接種直後から渡航可能(副反応の時間的余裕があれば前日接種が理想)
実務的には、副反応が出た場合の対応を考え、渡航1週間程度前の接種完了を目安にされるとよいでしょう。
Q4. 日本で接種を完了できず、東南アジアで接種することは可能ですか?
A. 技術的には可能な国もありますが、日本での完了を強く推奨します。理由としては:
- ワクチンの品質管理・冷蔵保管体制の確実性
- 接種歴の一元管理(日本の母子健康手帳やワクチン手帳に記録される)
- 帰国後の追加接種スケジュール調整の容易さ
- 言語・医学情報の正確性
已发达国・新興国を問わず、渡航前に日本で完了するのが患者利益の最大化につながります。
Q5. 東南アジア渡航経験者で以前にワクチン接種済みですが、今回も同じワクチンを受ける必要がありますか?
A. ワクチンの有効期限や免疫の持続期間により異なります:
| ワクチン | 有効期限 |
|---|---|
| A型肝炎 | 3回接種で約5年 |
| B型肝炎 | 接種後10年以上(追加接種の必要性は個人・年齢で異なる) |
| 破傷風 | 10年ごとの追加接種 |
| 日本脳炎 | 接種後の免疫持続期間は個人差が大きい |
| 腸チフス | 3年程度 |
| 狂犬病 | 曝露前接種は数年;曝露後は別プロトコル |
前回の接種時期を記録しておき、医療機関で抗体検査を受けることで、追加接種の必要性を判定することも可能です。
ご不明な点や、より具体的な渡航プロファイル(滞在地域・期間・活動内容など)に基づいたご相談があれば、お気軽に当院にご相談ください。
執筆者情報
佐藤 賢弥(さとう けんや)
医療法人社団南州会 東京品川フロントクリニック 呼吸器内科医師
【保有資格】
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
大谷 真理子(おおたに まりこ)
医療法人社団南州会 東京品川フロントクリニック院長 / 呼吸器感染症内科学医学博士
【保有資格】
呼吸器感染症内科学医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
井上 哲兵(いのうえ てっぺい)医師
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長 / 呼吸器感染症内科学医学博士
2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。
同年8月に三浦メディカルクリニックを開院し、以降も以下のクリニックを展開。
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ(1980年創業)
横浜フロントクリニック(2024年5月開院)
東京品川フロントクリニック(2026年1月開院)
自由が丘フロントクリニック(2026年10月開院予定)
新宿区分院(2027年12月開院予定)
三浦メディカルクリニック
【保有資格・所属学会】
呼吸器感染症内科学医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視