- 2026年9月5日
【2026年】インフルエンザが早くも流行開始|症状・検査・治療・予防を呼吸器内科医が解説
「インフルエンザは冬に流行する病気」と思っていませんか?
2026年は、東京都で例年よりかなり早い時期からインフルエンザの患者さんが増えています。
東京都によると、2026年8月17日〜23日のインフルエンザ患者報告数は、1医療機関あたり1.49人となり、流行開始の目安である1.0人を超えました。
前年は9月22日〜28日に流行開始の目安を超えているため、今年は1か月以上早くインフルエンザの流行が始まったことになります。
まだ暑い日が続く9月ですが、
「夏だからインフルエンザではないだろう」
とは言えません。
発熱、咳、のどの痛み、強い倦怠感などがある場合には、インフルエンザを含めた感染症を考える必要があります。
今回は、インフルエンザの症状、検査、治療、受診のタイミング、予防法について解説します。
2026年のインフルエンザは本当に流行が早い?
2026年は東京都で、前年より1か月以上早くインフルエンザの流行開始が確認されています。
東京都では、インフルエンザ定点医療機関から報告される患者数が「1医療機関あたり1.0人」を超えることを、流行開始のひとつの目安としています。
2026年第34週(8月17日〜23日)には、この数値が1.49人となりました。
また東京都は、夏休み終了後の新学期によって人と接触する機会が増え、学校や家庭内で感染が広がる可能性についても注意を呼びかけています。
インフルエンザは冬だけの感染症ではありません。
発熱や咳がある場合には、季節だけで判断しないことが大切です。
インフルエンザの主な症状は?

インフルエンザでは、次のような症状がみられます。
- 発熱
- 悪寒
- 強い倦怠感
- 頭痛
- 筋肉痛・関節痛
- 咳
- のどの痛み
- 鼻水・鼻づまり
一般的な風邪と比較すると、急な発熱や強い倦怠感、筋肉痛・関節痛などの全身症状が目立ちやすいことが特徴です。
一方で、すべての患者さんが38℃以上の高熱になるわけではありません。
高齢者やワクチン接種後の方などでは、比較的軽い発熱にとどまることもあります。
また、新型コロナウイルス感染症などでも、発熱・咳・咽頭痛・倦怠感など似た症状がみられます。
そのため、症状だけでインフルエンザと新型コロナなどを完全に見分けることは困難です。
インフルエンザの検査はいつ受ければいい?

「熱が出たらすぐ検査をしたほうがいいですか?」
という質問をよくいただきます。
インフルエンザの診断では、発熱がある場合など、症状に応じて迅速抗原検査などを行います。
当院ではインフルエンザとコロナウイルスを同時測定できる迅速検査キットを使用しております。
ただし、発症直後はウイルス量が十分に増えておらず、インフルエンザに感染していても検査が陰性になることがあります。
そのため、
「検査が陰性だった=絶対にインフルエンザではない」
とは限りません。
診断には検査結果だけでなく、
- いつから症状が始まったか
- 家族や職場にインフルエンザの人がいるか
- 咳や咽頭痛、関節痛があるか
といった情報も重要です。
受診する際には、「今日の朝から」「昨日の夜から」など、症状が始まった時期をできるだけ具体的に医師へ伝えましょう。
インフルエンザの治療は?

インフルエンザの治療では、症状や年齢、基礎疾患、発症からの時間などを考慮して、抗インフルエンザウイルス薬を使用することがあります。
主な治療薬には、
- オセルタミビル(タミフル)
- バロキサビル(ゾフルーザ)
- ラニナミビル(イナビル)
- ザナミビル(リレンザ)
などがあります。
抗インフルエンザ薬は、一般に発症から48時間以内に治療を開始することで効果が期待しやすいとされています。
適切な時期に治療を開始すると、発熱期間を通常1〜2日程度短縮する効果が期待できます。
ただし、インフルエンザに感染したすべての方に抗ウイルス薬が必要なわけではありません。
症状の程度や年齢、基礎疾患、発症からの時間経過などを考慮して、医師が治療の必要性や薬剤を判断します。
特に、
- 高齢の方
- 妊娠中の方
- 喘息やCOPDなど呼吸器疾患がある方
- 心疾患などの基礎疾患がある方
- 免疫機能が低下している方
などでは重症化リスクも考慮する必要があります。
インフルエンザで仕事は何日休む?
成人については、インフルエンザに感染した場合の一律の出勤停止期間が法律で定められているわけではありません。
一方、学校保健安全法では児童・生徒について、
「発症した後5日を経過(発症日を0日目)し、かつ解熱した後2日を経過するまで」
が出席停止期間の基準となっています。
成人の場合も、発熱や強い倦怠感がある時期には無理に出勤せず、周囲への感染を広げないことが重要です。
勤務先独自のルールが設定されている場合もありますので、職場にも確認してください。
インフルエンザで注意したい肺炎

インフルエンザの多くは自然に改善しますが、一部では肺炎などを合併することがあります。
特に、
- 息苦しい
- 呼吸が速い
- 胸が痛い
- 咳や痰が急に悪化した
- 高熱が長く続いている
- 一度改善した発熱が再び悪化した
といった場合には、早めの受診が必要です。
「インフルエンザだから咳が出て当然」と思っていても、肺炎を合併している場合があります。
診察所見などから肺炎の合併が疑われる場合には、胸部レントゲンやCTなどの画像検査が必要になることがあります。
喘息がある方はインフルエンザ後の咳にも注意
呼吸器内科として特に注意していただきたいのが、インフルエンザなどのウイルス感染をきっかけとした喘息の悪化です。
もともと喘息がある方では、感染後に
- 咳が止まらない
- 夜中や明け方に咳が増える
- ゼーゼー、ヒューヒューする
- 息苦しい
- 発熱は治ったのに咳だけ続く
といった症状が起こることがあります。
また、これまで喘息と言われたことがない方でも、感染をきっかけに咳喘息や気管支喘息が明らかになることがあります。
熱は治ったのに咳だけ2週間以上続いている場合は、「インフルエンザの治りかけだから」と放置せず、呼吸器内科への受診をおすすめします。
インフルエンザを予防する5つの方法
1.手洗い・手指消毒
外出後や食事前などには、石けんと流水による手洗いを心がけましょう。
アルコールによる手指消毒もインフルエンザの感染対策として有効です。
2.咳エチケット・マスク
咳やくしゃみがある場合には、周囲へ感染を広げないための配慮が重要です。
医療機関、高齢者施設、混雑した場所などでは、状況に応じてマスクを使用しましょう。
3.換気
インフルエンザを含む呼吸器感染症では、室内の換気も重要です。
まだ暑い時期でも、冷房を使用しながら定期的に換気しましょう。
4.睡眠・休養・水分補給
睡眠不足や体調不良が続いているときには無理をせず、十分な休養と水分、バランスのよい食事を心がけましょう。
5.インフルエンザワクチン

インフルエンザワクチンには、インフルエンザの発症を一定程度予防し、特に重症化を防ぐ効果が期待されています。
今年は8月の時点ですでに流行が始まっているため、「冬になってから考えればいい」とは限りません。
当院では10月1日からのインフルエンザワクチン接種開始を予定しております。また、注射ワクチンの他、点鼻ワクチンのフルミストの接種も可能です(適応:2歳から18歳まで)。
発熱がある方は専用の発熱外来をご予約ください

東京品川フロントクリニックでは、発熱患者さんと一般の患者さんの動線を分けて診療しています。
発熱がある方は、スムーズなご案内のために、「発熱外来」からご予約ください。
発熱患者さんは専用個室で検査・診察・会計を行います。
品川駅周辺で勤務されている方、港区・品川区にお住まいの方で、
「急に熱が出た」
「インフルエンザかもしれない」
「咳がひどくて肺炎が心配」
「熱は下がったのに咳だけ治らない」
といった症状がある場合には、お気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. インフルエンザの検査は発熱してすぐでもできますか?
検査自体は可能ですが、発症直後は感染していても陰性になることがあります。症状が始まった時間や周囲の流行状況も含めて医師が判断します。
Q. インフルエンザの薬はいつまでに飲めばいいですか?
抗インフルエンザ薬は、一般に発症から48時間以内に開始すると効果が期待しやすいとされています。ただし、病状や重症化リスクによって治療方針は異なります。
Q. インフルエンザの熱が下がったのに咳が続いています。受診したほうがいいですか?
咳が強い、息苦しい、夜間の咳がある、2週間以上咳が続いている場合には受診をおすすめします。肺炎や、感染をきっかけとした喘息・咳喘息などが隠れていることがあります。
Q. 品川駅の近くで発熱を診てもらえますか?
東京品川フロントクリニックでは発熱外来を設けています。品川駅港南口徒歩30秒、デッキ直結の品川イーストワンタワー3階です。37℃以上の発熱がある方は、発熱者専用ページからご予約ください。
まとめ|今年は「まだ夏だから大丈夫」と油断しないようにしましょう
2026年は、東京都で例年より早くインフルエンザの流行が始まっています。
ポイントをまとめると、
- 2026年は8月から東京都でインフルエンザが流行開始
- 前年より1か月以上早い
- 発熱だけでなく、咳・咽頭痛・倦怠感・筋肉痛などにも注意
- 発症直後の検査では偽陰性になることがある
- 抗インフルエンザ薬は早期治療が重要
- 息苦しさや強い咳がある場合には肺炎にも注意
- 喘息のある方では感染をきっかけに症状が悪化することがある
- 手洗い、換気、咳エチケット、ワクチンなどによる予防が重要
「ただの風邪かな」と思っていた症状が、インフルエンザや肺炎、喘息の悪化であることもあります。
品川駅周辺で発熱・咳・のどの痛み・息苦しさなどでお困りの方は、東京品川フロントクリニックへご相談ください。
執筆者情報
佐藤 賢弥(さとう けんや)
医療法人社団南州会 東京品川フロントクリニック 呼吸器内科医師
【保有資格】
日本内科学会 認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
井上 哲兵(いのうえ てっぺい)
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長 / 医学博士
2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。
同年8月に三浦メディカルクリニックを開院し、以降も以下のクリニックを展開。
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ(1980年創業)
横浜フロントクリニック(2024年5月開院)
東京品川フロントクリニック(2026年1月開院)
自由が丘フロントクリニック(2026年10月開院予定)
新宿区分院(2027年12月開院予定)
三浦メディカルクリニック
【保有資格・所属学会】
医学博士
日本内科学会 認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医