- 2026年5月30日
喘息の薬が効かない方へ|品川の内科・呼吸器専門医が生物学的製剤の始め方を解説

「吸入薬を毎日欠かさず使っているのに、月に何度も発作が出る」「症状が落ち着かないまま何年も経ってしまった」——そんな状況が続いているなら、現在の治療が自分の喘息のタイプに合っていない可能性があります。
喘息の治療は、吸入ステロイドや気管支拡張薬だけではありません。これらで十分にコントロールできない重症喘息に対しては、「生物学的製剤」という選択肢があります。ただし、受けられる施設が限られているため、存在を知らないまま過ごしている方も少なくありません。
今の治療で症状がコントロールできていない方に向けて、生物学的製剤という選択肢と、受診から投与開始までの流れをご説明します。
「薬を使っているのに効かない」には理由がある
喘息の治療の基本は吸入ステロイドです。軽症から中等症程度までは吸入ステロイドを中心とした複数の薬剤を組み合わせることでコントロールが可能ですが、治療を自己中断したりすると重症化してしまい、一度重症化すると吸入剤治療だけでは十分な効果が得られなくなるわけです。
こうした通常治療に反応しない重症喘息に対して開発されたのが生物学的製剤です。炎症に関わる特定のタンパク質(サイトカインや免疫グロブリンなど)を標的にして、炎症の根本的なメカニズムに作用します。
「薬が効かない」「量を増やしても変わらない」という状態は、重症度に薬のパワーが合っていないサインです。
生物学的製剤が対象になる方とは
生物学的製剤の保険適用には、患者側・施設側の両方で条件があります。
患者さん側の主な条件
- 高用量の吸入ステロイドを含む複数の薬剤を使用しても症状がコントロールできていない
- 血中好酸球数・IgE値などが製剤ごとの基準を満たしている
- 経口ステロイドを繰り返し使用している、または長期使用中である
- 年齢・体重の条件が満たしている
施設側の条件
呼吸器専門医が在籍し、重症喘息の管理経験を有する施設でなければ保険処方ができません。一般内科クリニックでは対応できないケースがほとんどです。「かかりつけ医に相談したが、詳しくないと言われた」という経験がある方は、呼吸器専門クリニックへの受診をご検討ください。
現在使われている主な生物学的製剤
| 製剤名 | 主な標的 | 投与間隔 |
|---|---|---|
| ゾレア(オマリズマブ) | IgE | 2〜4週ごと |
| デュピクセント(デュピルマブ) | IL-4・IL-13 | 2週ごと |
| ファセンラ(ベンラリズマブ) | IL-5受容体 | 初期4週、以降8週ごと |
| ヌーカラ(メポリズマブ) | IL-5抗体 | 4週ごと |
| テゼスパイア(テゼペルマブ) | TSLP抗体 | 4週ごと |
どの製剤が適しているかは、血液検査やFeNOの値、症状の特徴などをもとに専門医が判断します。
受診から投与開始までの流れ
STEP 1|初診・問診
現在の治療内容・発作の頻度・これまでの経緯を確認します。他院からの紹介状・お薬手帳・直近の検査データがあればお持ちください。
STEP 2|検査・適用評価
血液検査(好酸球数・IgE値など)・FeNO・スパイロメトリー・呼吸抵抗検査、必要に応じて胸部単純写真撮影・胸部CT検査を当日実施します。これらの結果をもとに、生物学的製剤の適用可否と最適な製剤を判断します。
STEP 3|治療方針の説明・同意
適用と判断された場合、製剤の種類・投与スケジュール・費用・副作用について説明します。患者さんが十分に納得したうえで投与を開始します。
STEP 4|投与開始
初回は院内で皮下注射を行い、一定時間経過観察します。製剤によっては自己注射に移行できるものもあります。
STEP 5|定期的なフォローアップ
投与開始後も定期的に呼吸機能・FeNO・呼吸抵抗検査、症状の変化を確認します。効果が不十分な場合は製剤の変更や追加治療を検討します。
東京品川フロントクリニックで対応できること
当院では呼吸器専門医のもと、ゾレア・デュピクセント・ファセンラ・ヌーカラ・テゼスパイアの保険処方に対応しています。
品川駅徒歩30秒という立地から、お仕事帰りに受診・投与まで完結できます。
- 適用評価に必要な検査を当日完結:FeNO・血液検査・呼吸機能検査・胸部CT
- 複数製剤に対応:炎症タイプに合わせた製剤選択が可能
- 投与後の定期フォロー:効果測定と治療調整を継続的に実施
- 他院からのセカンドオピニオンにも対応
受診の目安・タイミング
⚠ こんな方はご相談ください
・吸入薬を正しく使っているのに発作が月1回以上ある
・経口ステロイドを年に2回以上使っている
・ステロイドの長期使用による副作用が心配
・かかりつけ医に「これ以上できることがない」と言われた
・生物学的製剤に興味があるが、どこで相談すればいいかわからない
今の治療で症状がコントロールできていないなら、それは「仕方がない」ことではないかもしれません。まずは検査で自分の喘息のタイプと適用条件を確認することから始められます。お気軽にご相談ください。
よくある質問
かかりつけ医から紹介状がなくても受診できますか?
紹介状がなくても受診できます。ただし、現在の治療内容・お薬手帳・これまでの検査データがあると、より正確な評価が可能です。お持ちいただける範囲でご準備ください。
生物学的製剤の費用はどのくらいですか?
保険適用の場合、自己負担額は製剤の種類・体重・投与間隔によって異なります。高額療養費制度の対象となるため、一定額を超えた分は払い戻しを受けられます。詳しくは診察時にご説明します。
初診から投与開始まで何回通院が必要ですか?
当院では初診時に検査を当日実施できるため、最短で2回目の来院から投与開始できるケースがあります。ただし検査結果の評価や治療方針の説明に一定の時間を要するため、詳しくは診察時にご確認ください。
品川で生物学的製剤を処方してもらえるクリニックはありますか?
東京品川フロントクリニックでは、呼吸器専門医のもとでゾレア・デュピクセント・ファセンラ・ヌーカラ・テゼスパイアの保険処方に対応しています。品川駅港南口から徒歩30秒です。WEB予約またはLINEでご予約ください。

執筆者情報
大谷 真理子(おおたに まりこ)
医療法人社団南州会 東京品川フロントクリニック院長 / 医学博士
【保有資格】
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
井上 哲兵(いのうえ てっぺい)医師
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長 / 医学博士
2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。
同年8月に三浦メディカルクリニックを開院し、以降も以下のクリニックを展開。
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ(1980年創業)
横浜フロントクリニック(2024年5月開院)
東京品川フロントクリニック(2026年1月開院)
自由が丘フロントクリニック(2026年10月開院予定)
新宿区分院(2027年12月開院予定)
三浦メディカルクリニック
【保有資格・所属学会】
緩和ケア研修会修了医
医学博士
参考資料
- 日本アレルギー学会『喘息予防・管理ガイドライン2024』
- Global Initiative for Asthma (GINA) Report 2024
- 各製剤添付文書(ゾレア・デュピクセント・ファセンラ・ヌーカラ)