- 2026年10月7日
健診で血圧が高いと言われたら|品川の内科が解説

「健康診断の結果に『血圧 要再検査』と書かれていた」「毎年、高めと言われているが特に困っていない」「受診しようと思っているうちに、次の健診が来てしまった」
血圧は、高くなっていても自覚症状がほとんど出ません。頭痛やめまいとして感じられるのは、かなり高い値になってからです。だからこそ健診で指摘されても受診につながりにくく、指摘から数年が経っているという方が少なくありません。
この記事では、健診で血圧を指摘されたあとに何を確認すればよいのか、そして血圧の背景に夜の呼吸の問題が隠れていることがある、という点を整理します。
健診で1回高かっただけで、高血圧と決まるのか
決まりません。診察室や健診会場で測った値と、ご自宅で測った値の両方がそろって、はじめて状態を判断できます。
血圧は、1日のなかで大きく動きます。朝の起床後に上がり、日中は活動に応じて上下し、夜間の睡眠中に下がるのが基本の動きです。緊張や寒さ、直前のカフェイン、会話をしながらの測定でも値は変わります。
そのため高血圧かどうかは、2つの測定値の組み合わせで考えます。組み合わせ方によって、大きく4つの状態に分かれます。
| 診察室・健診で基準内 | 診察室・健診で高い | |
|---|---|---|
| 家庭で基準内 | 正常 年1回の健診での確認を続けてください |
白衣高血圧 すぐ薬とは判断しませんが、将来の移行に注意が必要で、家庭での測定を続けます |
| 家庭で高い | 仮面高血圧 健診では見つかりません。早朝・職場・夜間のどこかで高く、気づかれずに続きやすい状態です |
高血圧 治療の対象になります。目標は診察室130/80mmHg未満、家庭125/75mmHg未満 |
白衣高血圧とは
健診会場や診察室では高いのに、ご自宅では基準の範囲に収まっているパターンです。この場合、すぐに薬を始めるのではなく、経過を見ながら判断します。ただし「問題なし」と確定したわけではなく、将来的に高血圧へ移行する方が一定数いることが分かっているため、家庭での測定を続けることをお勧めしています。
仮面高血圧とは
その逆で、診察室では正常なのに、早朝・職場・夜間のどこかで高くなっているパターンです。健診では見つからないため、気づかれないまま年単位で続きやすいのが問題になります。早朝に高くなる方、仕事中のストレス下で高くなる方、睡眠中に高いままの方があり、それぞれ背景が異なります。
血圧はどこまで下げればよいのか
2025年8月の改訂で、診察室血圧は130/80mmHg未満、家庭血圧は125/75mmHg未満が原則の目標になりました。年齢による区分は廃止されています。
日本高血圧学会から『高血圧管理・治療ガイドライン2025』が公表されました。6年ぶりの改訂で、治療を受けている方にとって関わりの大きい変更がありました。
- 降圧目標:診察室血圧で130/80mmHg未満、家庭血圧で125/75mmHg未満
- これまで年齢によって分けていた目標値が、原則として統一されました
- ただし一律に下げるのではなく、ふらつきなどの有害事象に注意しながら、おひとりずつの状況に合わせて進めることが明記されています
- 高血圧の基準そのもの(診察室血圧で140/90mmHg以上)は変わっていません
健診で140/90mmHgを超えていた方は、まずご自宅での測定から始めていただくのが現実的です。朝は起床後1時間以内・排尿後・朝食と服薬の前、晩は就寝前。上腕にカフを巻くタイプを使い、椅子に座って1〜2分静かにしてから測ります。できれば7日間続けて、その平均で考えます。
測り方や記録の残し方については、秋に血圧が上がりやすい理由を品川の内科医が解説で詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。
血圧が下がりにくいとき、何を疑うのか
背景に別の病気が隠れていることがあります。見逃されやすいのが、眠っている間の呼吸の問題です。
高血圧の多くは、はっきりした単一の原因がないタイプ(本態性高血圧)です。ただし一部には、原因となる病気があって血圧が上がっている二次性高血圧が含まれます。腎臓の病気、ホルモンの異常、服用している薬の影響などが挙げられますが、そのなかで見逃されやすいもののひとつが睡眠時無呼吸です。
眠っている間にのどの奥が狭くなり、呼吸が一時的に止まる状態です。呼吸が止まると血液中の酸素が下がり、体はそれを危険と受け取って一瞬覚醒し、交感神経が緊張します。このとき血圧と心拍数が持ち上がります。これが一晩のうちに何十回も繰り返されることになります。
本来、睡眠中の血圧は日中より10〜20%ほど下がります。この下がり方が乏しい、あるいは夜間のほうが高くなるパターンがあり、睡眠時無呼吸はその背景として知られています。また、3種類の薬を使っても下がりにくい治療抵抗性高血圧では、睡眠時無呼吸の合併が多いことも報告されています。国内の報告では、高血圧の方の約10%に中等症以上の睡眠時無呼吸がみられるとされています。
睡眠時無呼吸に気づくきっかけは何か
ご本人は眠っている間のことを自覚できないため、周囲からの指摘や日中の状態が手がかりになります。
- いびきが大きい、途中で止まっていると言われた
- 夜中に何度もトイレに起きる
- 朝、起きたときに頭が重い、口が渇いている
- 睡眠時間は取っているのに日中の眠気が強い、会議や移動中に眠ってしまう
- 健診で血圧と体重が同時に上がってきている
体格の大きい方に多いことは事実ですが、あごの形や首まわりの構造が関わるため、やせている方にも起こります。「太っていないから関係ない」とは言えません。
東京品川フロントクリニックで対応できること
- 血圧の評価:診察室での測定に加え、ご自宅の記録をもとに、白衣高血圧・仮面高血圧を含めて整理します
- 血液検査・心電図・胸部X線:腎臓や心臓への影響、二次性高血圧につながる所見がないかを確認します
- 睡眠時無呼吸の検査:可能性があると判断した場合、ご自宅で一晩測定していただく簡易検査からご案内します
- 呼吸機能検査・CT:咳や息切れを伴う場合は、呼吸器側の評価も同じ日のうちに進められます
- 生活習慣の相談:減塩、体重、飲酒、運動について、お勤めの状況に合わせて現実的な線で一緒に決めていきます
当院は一般内科を入口としながら、呼吸器診療を専門とする医師が在籍しています。血圧の相談から睡眠時無呼吸の検査まで、科をまたがずに同じ場所で進められるのが特徴です。当グループには複数の院に呼吸器専門医が在籍しており、判断の難しい所見についてはグループ内で検討したうえでお伝えしています。
受診の目安・タイミング
こんな方は一度ご相談ください
・健診で血圧を指摘されたが、まだ受診していない
・家庭で測ると朝だけ高い、または日によってばらつきが大きい
・血圧の薬を飲んでいるが、目標まで下がりきっていない
・いびきを指摘された、夜中に何度もトイレに起きる
・睡眠時間は足りているのに日中の眠気が強い
・血圧と体重が同時に増えてきている
次の場合は、その日のうちに医療機関を受診してください。
・強い頭痛、吐き気、ものが二重に見える、ろれつが回らない
・胸の痛みや圧迫感、息苦しさを伴う
・手足の力が入らない、顔の片側が動かない
・血圧が180/110mmHgを超えていて、体調の変化を伴う
よくある質問
健診で1回高かっただけでも受診したほうがよいですか?
1回の値だけで高血圧と決まるわけではありませんが、そのまま放置すると次に確認する機会が1年後になってしまいます。ご自宅での測定を1週間続けて、その記録を持って一度ご相談いただくのが無駄のない進め方です。そのうえで経過観察でよいのか、検査を追加するのかを判断します。
血圧の薬は、一度始めるとやめられないのですか?
長く続けることが多い薬ではありますが、やめられないと決まっているものでもありません。体重が落ちた場合や、背景にあった睡眠時無呼吸の治療が進んだ場合に、薬を減らせることがあります。減量や中止の判断は、家庭血圧の推移と臓器への影響を見ながら行いますので、自己判断での中断は避けていただいています。
いびきを指摘されただけでも相談してよいですか?
かまいません。いびきは睡眠時無呼吸を見つける入口になります。血圧が高めの方、日中の眠気がある方、夜間に目が覚める方では、いびきの指摘をきっかけに検査を検討します。検査はご自宅で一晩お過ごしいただく簡易検査から始められます。
品川で血圧と睡眠時無呼吸の相談はできますか?
東京品川フロントクリニックでは、一般内科として血圧の相談をお受けし、必要に応じて睡眠時無呼吸の検査までご案内しています。血液検査・心電図・胸部X線・CTを当日実施でき、結果の説明まで同じ日のうちに進められる場合があります。品川駅港南口から直結のため、出勤前や仕事の合間にもお立ち寄りいただけます。健診結果をお持ちください。
診療時間・アクセス
東京品川フロントクリニック
〒108-0075 東京都港区港南2丁目16-1
品川イーストワンタワー 307-A
TEL:03-6456-5040
診療時間:9:00〜12:30 / 14:00〜18:00
休診日:日曜・祝日
※診療受付は終了30分前まで
品川駅港南口から直結。出勤前やお昼休み、お勤め帰りにもお立ち寄りいただきやすい立地です。24時間Web予約
まとめ
健診の1回の測定で高血圧と決まるわけではありませんが、指摘をそのままにすると確認の機会は1年後になります。まずご自宅で1週間測り、その記録をもとに判断するのが確実です。
そして、いびきや日中の眠気が重なっている場合は、夜の呼吸が血圧に関わっている可能性があります。健診結果と家庭血圧の記録をお持ちのうえ、一度ご相談ください。
執筆者情報
大谷 真理子(おおたに まりこ)
医療法人社団南州会 東京品川フロントクリニック院長 / 医学博士
【保有資格】
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
井上 哲兵(いのうえ てっぺい)医師
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長 / 医学博士
2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。
同年8月に三浦メディカルクリニックを開院し、以降も以下のクリニックを展開。
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ(1980年創業)
東京品川フロントクリニック(2026年1月開院)
横浜フロントクリニック(2024年5月開院)
自由が丘フロントクリニック
新宿区分院(2027年12月開院予定)
三浦メディカルクリニック
【保有資格・所属学会】
緩和ケア研修会修了医
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
日本医師会認定産業医
厚生労働省認定 臨床研修指導医
関連記事
- 秋に血圧が上がりやすい理由を品川の内科医が解説
- 脂質異常症(高コレステロール)を放置するリスク
- 健康診断で肝機能を指摘されたら(AST・ALT・γ-GTPの見方)
- 健診の胸部レントゲンで「異常」を指摘されたら