- 2026年9月26日
インフルエンザワクチンはいつ打つ?|品川駅港南口の内科医が解説する今シーズンの接種時期
今シーズンは、インフルエンザの流行の立ち上がりが例年より早くなっています。2026年は8月のうちに全国で流行入りが報じられ、昨年より1か月以上早いスタートとなりました。9月に入ってからも報告数は増えており、学級閉鎖の話も耳にするようになっています。
そうなると出てくるのが、「ワクチンは今すぐ打った方がいいのか」「例年どおり10月〜11月でいいのか」という判断です。品川エリアで働く方からは、「出張や繁忙期と重ならないように打ちたい」というご相談もよくいただきます。
この記事では、ワクチンの効果が出るまでの時間と持続期間という2つの物差しから、接種時期の考え方を整理します。
接種時期を決める2つの物差し
インフルエンザワクチンの接種時期は、次の2つから逆算して考えます。
① 効果が出るまでに約2週間かかる
接種した日から体の中で抗体がつくられ始め、十分な量に達するまでにおよそ2週間かかります。打ったその日から守られるわけではありません。「流行が始まってから打とう」と考えると、この2週間のあいだに感染する可能性が残ります。
② 効果はおよそ5から6か月で弱まっていく
つくられた抗体は時間とともに減っていき、効果が保たれるのはおよそ6か月弱程度とされています。あまりにも早すぎる接種は、流行のピークを迎えるころに効果が下がっている可能性がありますが、9月下旬以降であれば問題ないとする専門家が多いです。
この2つを、日本の流行期(例年12月〜3月ごろにピーク)と重ねると、9月下旬から11月にかけての接種が多くの方にとって合理的な選択になります。今シーズンのように流行の立ち上がりが早い年は、その中でも早めに動いておくという判断が働きます。
「かかっても軽く済む」という効果の捉え方
ワクチンについて、「接種したのにかかった。意味がなかった」というお話を伺うことがあります。
インフルエンザワクチンは、感染そのものを完全に防ぐものではありません。期待されているのは、発症を抑えること、そして発症した場合に重症化しにくくすることです。肺炎や脳症といった合併症、入院に至るような経過を減らすことが、ワクチンの主な役割として位置づけられています。

働いている方にとっては、これは「休む日数」という形で実感されることが多い部分です。高熱が出る日数が短くなる、体力の回復が早い、出社再開までの期間が短くなる。こうした差が、結果として仕事や家庭への影響を小さくします。
同居されているご家族にも関わります
家庭内での感染は珍しくありません。ご本人が職場で感染し、持ち帰るという経路です。小さなお子さんやご高齢の方と同居されている場合、ご自身の接種はご家族を守ることにもつながります。
持病がある方こそ、早めの確認を
次のような方は、インフルエンザにかかったときに症状が重くなりやすいことが知られています。
- 喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎などの呼吸器の病気がある
- 心臓・腎臓・肝臓の病気がある
- 糖尿病がある
- 免疫の働きを抑える治療を受けている
- 65歳以上である
とくに喘息をお持ちの方では、インフルエンザをはじめとする気道の感染が発作の引き金になることがあります。感染をきっかけに気道の炎症が強まり、数週間にわたって咳が続くという経過をたどる方もいます。吸入薬でコントロールできている時期であっても、シーズン前に一度状態を確認しておくことをおすすめしています。
東京品川フロントクリニックで対応できること
- インフルエンザワクチンの接種:出勤前や仕事の合間、終業後にお立ち寄りいただけます
- 持病のある方の事前確認:喘息やCOPDをお持ちの方は、呼吸機能検査やFeNO検査で現在の気道の状態を確認したうえで、シーズンの過ごし方をご相談いただけます
- 発熱時の診療:実際に発熱した場合の検査・診療にも対応しています。発熱・咳が長引く場合には、胸部X線やCTで肺炎などの有無を同日に確認できます
- 他のワクチンのご相談:新型コロナ、帯状疱疹、肺炎球菌など、ご年齢や持病に応じてご案内します
当院は呼吸器診療を専門とする医師が在籍しており、検査から結果の説明までを同じ日のうちに進められる体制を取っています。当グループは複数の院に専門医が在籍しており、判断の難しい所見についてはグループ内で検討したうえでお伝えしています。
受診の目安・タイミング
こんな方は早めのご相談をお勧めします
・喘息・COPDなど呼吸器の持病がある
・糖尿病、心臓・腎臓の病気がある
・65歳以上、または小さなお子さんやご高齢の方と同居している
・受験や出張など、体調を崩せない予定が冬にある
・毎年12月以降に接種していて、流行に間に合わなかった経験がある
・昨シーズン、かぜのあとに咳が長引いた
すでに発熱や強い咳がある場合は、ワクチンではなく発熱外来としての受診をご検討ください。接種は体調が回復してからになります。
よくある質問
今シーズンはいつ打つのがよいですか?
効果が出るまでに約2週間、効果が保たれるのがおよそ5から6か月という2点から逆算すると、10月から11月にかけての接種が多くの方に当てはまります。今シーズンは流行の立ち上がりが例年より早いため、この中でも早めの時期を選んでいただくのが一つの考え方です。
すでに流行が始まっていますが、今から打っても間に合いますか?
流行は例年12月から3月にかけてピークを迎えます。今から接種しても、そのピークに向けて効果が期待できる時期に入ります。流行が始まっているからといって、接種の意味がなくなるわけではありません。
喘息があります。接種して大丈夫ですか?
喘息があること自体は接種を避ける理由にはならず、むしろ重症化しやすい側に含まれるため、接種が勧められる立場です。ただし発作が起きている時期や、体調が安定していない時期は避けます。現在の気道の状態を確認したうえで判断しますので、ご相談ください。
品川でインフルエンザワクチンを受けられますか?
東京品川フロントクリニックでインフルエンザワクチンの接種に対応しています。品川駅港南口から徒歩30秒のため、出勤前や仕事の合間にもお立ち寄りいただけます。実施時期・費用・ご予約方法は公式サイトをご確認ください。

執筆者情報
大谷 真理子(おおたに まりこ)
医療法人社団南州会 東京品川フロントクリニック院長 / 医学博士
【保有資格】
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
井上 哲兵(いのうえ てっぺい)医師
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長 / 医学博士
2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。
同年8月に三浦メディカルクリニックを開院し、以降も以下のクリニックを展開。
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ(1980年創業)
横浜フロントクリニック(2024年5月開院)
東京品川フロントクリニック(2026年1月開院)
自由が丘フロントクリニック
新宿区分院(2027年12月開院予定)
三浦メディカルクリニック
【保有資格・所属学会】
緩和ケア研修会修了医
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
日本医師会認定産業医
厚生労働省認定 臨床研修指導医
参考資料
- 厚生労働省「インフルエンザQ&A」
- 東京都感染症情報センター「インフルエンザの流行状況(2026-2027年シーズン)」
- 日本アレルギー学会『喘息予防・管理ガイドライン2024』