- 2026年2月23日
- 2026年2月25日
スギ花粉症に対するゾレア治療という治療法があります。毎年花粉症で辛い人はぜひご相談ください。品川駅港南口徒歩30秒のクリニックの呼吸器専門医が解説します。
スギ花粉症が重症で、毎年つらい思いをしている方にとって「ゾレア」という注射薬は新しい選択肢の一つです。ここでは、できるだけわかりやすく解説します。
ゾレアとは?
ゾレア(一般名:オマリズマブ)は、もともと気管支喘息の治療薬として使われてきた注射薬で、現在は**重症のスギ花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)**にも使われています。
- 商品名:ゾレア
- 有効成分:オマリズマブ
- 投与方法:皮下注射(腕やお腹など)
- 投与間隔:通常2〜4週間ごと
作用機序(どうやって効くの?)
スギ花粉症は「IgE(アイジーイー)」という抗体が関係するアレルギー反応です。
通常のアレルギー反応の流れ
- スギ花粉が体内に入る
- IgE抗体が花粉を認識
- IgEが肥満細胞に結合
- ヒスタミンなどが放出
- くしゃみ・鼻水・鼻づまりが起こる
ゾレアの働き
ゾレアは血液中のIgEと結合して無力化します。
つまり、
- IgEが花粉と反応できなくなる
- 肥満細胞が刺激されにくくなる
- ヒスタミンの放出が抑えられる
という仕組みです。
👉 ポイントは「アレルギー反応のかなり上流(根本)をブロックする」ことです。
一般的な抗ヒスタミン薬が「症状を抑える薬」なのに対し、ゾレアは反応そのものを弱める薬といえます。
適応(どんな人が使えるの?)
ゾレアは誰でも使えるわけではありません。
対象となる人
- 重症のスギ花粉症
- 抗ヒスタミン薬や点鼻薬などを使っても十分な効果がない
- 血液検査でスギ特異的IgEが一定以上
- 体重とIgE値が投与基準内
- 昨年の治療歴としてアレルギー剤の服用及び点鼻ステロイドの治療歴がお薬手帳等で確認できる。
毎年、仕事や学業に支障が出るレベルでつらい」 「病院で処方された薬(内服と点鼻)を使ってもコントロールできない」 という方が検討対象になります
※花粉の飛散シーズン前から開始するのが一般的です。
治療可能な病院・クリニック
4年以上の臨床研修を有する耳鼻咽喉科医や、3年以上のアレルギー診療経験を持つ医師など、限られた医師のみが処方・投与できる薬です。一般的なクリニックでは取り扱えない治療薬になります。当院は喘息や過敏性肺臓炎、通念性アレルギー性鼻炎・季節性アレルギー性鼻炎(スギ花粉症を含む)などのアレルギー疾患の治療経験を豊富に持つ呼吸器専門医が常駐しておりますので、当然ではございますが取り扱いが可能です。ゾレアはスギ花粉症以外に喘息や蕁麻疹などで使用可能となっている薬で、呼吸器専門医は重症アレルギー性喘息の患者さんに対して使用することもありゾレアの臨床経験が豊富です。ゾレアが販売開始された当初は喘息のみで使用可能であった為、全ての医師で呼吸器内科医・アレルギー科医のみが使用可能でした。徐々に蕁麻疹やスギ花粉症などの適応疾患が増え、皮膚科医や耳鼻科医でも使用可能になったのです。
治療の流れ
- 血液検査(IgE値測定)
- 体重測定
- 投与量決定(IgE値と体重で決まる)
- 2〜4週間ごとに注射
花粉シーズン中のみ投与することが多いです。
価格(気になる費用は?)
ゾレアは高額な薬です。
目安(3割負担の場合)
- 1回あたり:約1万5千円〜3万円前後
(体重とIgE値により変動)
シーズン中に数回打つと、
総額で5〜10万円程度になることもあります。
ただし:
- 高額療養費制度の対象
- 医療費控除の対象
になるため、条件によっては負担が軽減されます。
メリット
- 重症例でも高い効果が期待できる
- 鼻症状だけでなく、目のかゆみにも効果がある
- 内服薬の量を減らせる可能性
デメリット・注意点
- 高額
- 定期的な通院が必要
- まれにアナフィラキシー(重いアレルギー反応)
- 妊娠中は慎重投与
初回投与後は院内で経過観察を行います。
舌下免疫療法との違い
スギ花粉症の根本治療として有名なのは舌下免疫療法ですが、違いは以下の通りです。
| ゾレア | 舌下免疫療法 |
|---|---|
| 即効性あり | 効果発現まで数年 |
| 高額 | 比較的安価 |
| 重症向け | 軽症〜中等症向け |
| シーズン治療 | 長期治療 |
ゾレアは「今シーズンをどうにかしたい人向け」と言えます。
まとめ
ゾレアは、
✔ 重症スギ花粉症の新しい治療選択肢
✔ IgEを直接ブロックする画期的な仕組み
✔ 効果は高いが費用も高い
という特徴があります。
「毎年、春が本当に憂うつ」という方は、一度当院に相談してみる価値があると思います。
執筆者情報
大谷 真理子(おおたに まりこ)
医療法人社団南州会 東京品川フロントクリニック院長 / 医学博士
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
【保有資格】
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
井上 哲兵(いのうえ てっぺい)医師
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長 / 医学博士
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。同年8月に三浦メディカルクリニックを開院し、以降も以下のクリニックを展開。
横浜フロントクリニック(2024年5月開院)
東京品川フロントクリニック(2026年1月5日開院)
目黒区分院(2026年9月開院予定)
新宿区分院(2027年12月開院予定)
【保有資格・所属学会】
緩和ケア研修会修了医
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
日本医師会認定産業医
厚生労働省認定 臨床研修指導医
身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)
難病指定医(呼吸器)