• 2026年2月12日
  • 2026年6月7日

麻疹・風疹ワクチン(MRワクチン)の定期接種率が年々低下してきています。このままでは麻疹・風疹蔓延国になってしまうかもしれません。

麻疹って怖い病気だって知っていますか?風疹って怖い病気だって知っていますか?

実はこの2つはワクチンを接種すればかなりの確率で防げる病気です(※集団免疫効果が十分な環境下において)。にもかかわらずワクチン接種者が減ってきているのはご存知ですか?

今、海外からの旅行者が急増したことがきっかけで麻疹・風疹の患者さんが国内で増加しつつあります。麻疹患者さんが一人見つかるとテレビやネットでニュースになるのを見たことありませんか?なぜでしょうか。それは、麻疹患者と、ワクチン未接種者が道ですれ違ったり、同じ電車に乗ってたり、カラオケで自分たちが使用する前にその部屋を利用していたりするだけで簡単に感染してしまうからです。日本は接種率が下がってきてはいるものの、全体を見れば今のところまだワクチン接種完了者の方が多く、海外と比較して蔓延するまでに至っていませんが、このまま接種率が低下し続けた場合は、いずれは蔓延国家となってしまう可能性があります。

令和2年までは全ての地域で接種率が95%以上でしたが、令和4年は福島県以外95%を下回っています。場所によっては90%を大きく割り込んできてしまっています。接種率が95%を下回ると、集団免疫効果が不十分になり流行していきます。麻疹のウィルス量が多い感染者が増加してくることからMRワクチン(麻疹・風疹ワクチン)を2回接種していても罹患する人が出始めてしまいます。地域によっては今まさにこの段階になっているのです。ただしワクチン接種完了者は基本的に重症化することはほとんどなく、軽い風邪症状で治ることが多いので安心してくださいね。しかし、軽い風邪症状で済むということは検査をせずに過ごしてしまう人もいるため、ワクチン未接種者に広がるといった悪循環になっていくのです。

WHOは、毎年3000万人以上の麻疹患者と875,000人の麻疹による死亡者が発生していると推計しています。日本では世界に比べて死亡率はまだまだ低いですが、今後、このまま接種率が低下していった場合は死亡者数が増えてくることが予想されています。

麻疹を発症すると約半数は肺炎を合併します。0.1%程度と率は低いですが脳炎を合併することもあります。脳炎を発症すると40%程度に精神発育遅滞・てんかん・麻痺を起こしてきます。また、麻疹の怖いところは、一度回復したとしても、5−10年後にSSPEという極めて重篤な脳炎を発症することです。SSPEを発症すると半年から1年で死に至ることになります。幼少期に感染するとそれ以降ずっとSSPEのリスク・不安を抱えながら生きていくことになります。

SSPEの発症リスクが高い群は1歳未満で麻疹を発症した人、免疫抑制剤を使用している人と言われています。

日本の場合は1歳でMRワクチンが接種可能になります(原則1歳以降です。)。麻疹蔓延国になってしまったら、1歳未満の子どもたちが安心して生活できない国になってしまうのです。MRワクチンは自分を守る+未来の子供達を守ることになるのです。1歳未満が外に出られない世界。そんな未来でいいのでしょうか。

ここで海外のデータを見てみましょう。東南アジアの麻疹注意国としての代表格はインド・インドネシアです。2023年にインドで68889例、同じく2023年のインドネシア報告数は19879例でした。インドは3歳までに2期まで完了していた率が56%、インドネシアは第1期・第2期の接種率は84%、67%でした。東南アジア・南米・中東は麻疹蔓延国がありますので渡航前にしっかりと確認をしてくださいね。

ワクチン接種は必要ない!と訴えるSNS配信者の方々が最近チラホラいらっしゃいますよね。その方々の子供は本当に未接種なのでしょうか。もし未接種だとしても、インド・インドネシアにも旅行に行くのでしょうか?


ちなみに、フロントクリニックグループの医院がある周辺地域の統計も出ています。2024年度末日まで(2024年4月1日から2025年3月31日)の統計でMRワクチン第二期の接種率は、横浜市の接種率は90.4%、品川区89.8%、目黒区86.8%、港区に至っては東京23区中最下位の81.0%、そして三浦市はさらに下回る驚愕の76.3%。インドネシアの数字に近づいてきている意味を知ってください。このまま接種率が下がっていったら、公園から1歳未満の子どもが遊ぶ姿が消えてなくなります。

最後までお読み頂いて有難うございます。今一度、ワクチンについてしっかりと考えるいい機会にして頂ければと思います。

当グループは全てのクリニックでMRワクチン接種を行っております。希望される方は、品川院・横浜院はWEBから、三浦院は電話にてご予約ください。

最後に、少し話は変わりますが、海外留学・就労をする場合、ワクチン接種証明書が必要になる国があります。その代表は米国です。日本は米国に比べて必要最低限のワクチンしか公費適用になっておらず、基本的に日本で公費とされているワクチンの全て接種完了していないと留学できません。米国のほとんどの州で麻疹、風疹、ムンプス、B型肝炎、水痘、髄膜炎、破傷風、ジフテリア、百日咳 の接種証明が必要となります。以前、横浜院で全てのワクチンが未接種の状態の方が留学のために来院されましたが、全て自費で接種することになっていました、、、。

執筆者情報

東京品川フロントクリックは内科・呼吸器内科・アレルギー科を得意とするクリニックです。トラベルワクチンも行っております。ご相談をお待ちしております。

大谷 真理子(おおたに まりこ)
医療法人社団南州会 東京品川フロントクリニック 院長/医学博士
日本呼吸器学会 呼吸器専門医

【保有資格】

  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本呼吸器学会 呼吸器専門医
  • 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医

井上 哲兵(いのうえ てっぺい)
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長/医学博士
日本呼吸器学会 呼吸器専門医

【保有資格・所属学会】

  • 緩和ケア研修会修了医
  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本呼吸器学会 呼吸器専門医
  • 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
  • 日本医師会認定産業医
  • 厚生労働省認定 臨床研修指導医
  • 身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)
  • 難病指定医(呼吸器)

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