- 2026年2月12日
- 2026年2月25日
麻疹・風疹ワクチンの定期接種率が年々低下してきています。このままでは麻疹・風疹蔓延国になってしまうかもしれません。
麻疹って怖い病気だって知っていますか?風疹って怖い病気だって知っていますか?
実はこの2つはワクチンを接種すれば防げる病気です。にもかかわらずワクチン接種者が減ってきているのはご存知ですか?
今、海外からの旅行者が急増したことで麻疹・風疹の患者さんが国内で増加しつつあります。麻疹患者さんが一人見つかるとテレビやネットでニュースになるのを見たことありませんか?なぜでしょうか。それは、麻疹患者と、ワクチン未接種者が道ですれ違ったり、同じ電車に乗ってたり、カラオケで自分たちが使用する前にその部屋を利用していたりするだけで簡単に感染してしまうからです。日本は今のところまだワクチン接種完了者が多く蔓延するに至っていませんが、このまま接種率が低下した場合は蔓延国家となってしまう可能性があります。
令和2年までは全ての地域で接種率が95%以上でしたが、令和4年は福島県以外95%を下回っています。場所によっては90%を割り込んできてしまっています。ちなみに接種率が95%未満になると集団免疫が確立されずに流行してしまう可能性があります。
WHOは、毎年3000万人以上の麻疹患者と875,000人の麻疹による死亡者が発生していると推計しています。日本では世界に比べて死亡率はまだ低いですが、それでも年間約50人前後の子供が死亡しています。今後、このまま接種率が低下した場合は死亡者数が増えてくることが予想されています。
麻疹を発症すると約半数は肺炎を合併します。0.1%程度と率は低いですが脳炎を合併することもあります。脳炎を発症すると40%程度に精神発育遅滞・てんかん・麻痺を起こしてきます。また、麻疹の怖いところは、一度回復したとしても、5−10年後にSSPEという極めて重篤な脳炎を発症することです。SSPEを発症すると半年から1年で死に至ることになります。幼少期に感染するとそれ以降ずっとSSPEのリスク・不安を抱えながら生きていくことになります。
SSPEの発症リスクが高い群は1歳未満で麻疹を発症した人、免疫抑制剤を使用している人と言われています。
日本の場合は1歳でMRワクチンが接種可能になります(原則1歳以降です。)。麻疹蔓延国になってしまったら、1歳未満の子どもたちが安心して生活できない国になってしまうのです。MRワクチンは自分を守る+未来の子供達を守ることになるのです。
ちなみに、海外留学・就労をする場合、ワクチン接種証明書が必要になる国があります。その代表は米国です。日本は米国に比べて必要最低限のワクチンしか公費適用になっておらず、基本的に日本で公費とされているワクチンの全て接種完了していないと留学できません。米国のほとんどの州で麻疹、風疹、ムンプス、B型肝炎、水痘、髄膜炎、破傷風、ジフテリア、百日咳 の接種証明が必要となります。以前、横浜院で全てのワクチンが未接種の状態の方が留学のために来院されましたが、全て自費で接種することになっていました、、、。
あと、旅行も要注意です。東南アジア・南米・中東は麻疹蔓延国がありますので渡航前にしっかり確認をしてください。ちなみに東南アジアの麻疹注意国としての代表格はインド・インドネシアです。2023年にインドで68889例、同じく2023年のインドネシア報告数は19879例でした。インドは3歳までに2期まで完了していた率が56%、インドネシアは第1期・第2期の接種率は84%、67%でした。
ワクチン接種は必要ない!と訴えるSNS配信者の方々が最近チラホラいらっしゃいますよね。その方々の子供は未接種なのでしょうか。もし未接種だとしたら、インド・インドネシアにも旅行に行くのでしょうか?
北海道の一部の地域では接種率が50%を切っているところもあります、、、。対象者数が少ないため、一人が接種しないだけで大きく数字が動いてしまうことが主たる要因だろうと思いますが、数が少ないなら少ないなりに、しっかりと地域の保健所がフォローすべきでは?と思ってしまいます。統計をとった訳ではないのであくまで私的見解ですが、それぞれの都道府県の中でも都市部の方が接種率が高く、郊外になればなるほど接種率が低くなるように思います。正しい情報を市民に届けて接種を促す保健所のマンパワー不足なのでしょうか。


執筆者情報
東京品川フロントクリックは内科・呼吸器内科・アレルギー科を得意とするクリニックです。トラベルワクチンも行っております。ご相談をお待ちしております。
大谷 真理子(おおたに まりこ)
医療法人社団南州会 東京品川フロントクリニック 院長/医学博士
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
【保有資格】
- 医学博士
- 日本内科学会認定内科医
- 日本呼吸器学会 呼吸器専門医
- 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
井上 哲兵(いのうえ てっぺい)
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長/医学博士
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
【保有資格・所属学会】
- 緩和ケア研修会修了医
- 医学博士
- 日本内科学会認定内科医
- 日本呼吸器学会 呼吸器専門医
- 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
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