- 2026年7月18日
睡眠時無呼吸症候群のCPAP保険基準が変わった|品川の内科でSAS再検査を

2026年6月の診療報酬改定により、睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対するCPAP治療の保険適用基準が緩和されました。これまで「あと少し足りない」とされていた中等症の方が、新たに保険適用でCPAP治療を始められるようになっています。
この記事では、何がどう変わったのか、どんな方が対象になるのかを一般の方にわかりやすく解説します。
今回の変更で何が変わったのか
SASの重症度を示す指標として「AHI(無呼吸低呼吸指数)」があります。AHIとは、睡眠1時間あたりに呼吸が止まったり浅くなったりする回数のことです。
これまでのCPAP保険適用基準は、精密検査(PSG)でAHI 20以上、または簡易検査でREI 40以上とされていました。今回の改定でこの基準が引き下げられ、精密検査でAHI 15以上、簡易検査でREI 30以上でも保険適用でCPAP治療を開始できるようになりました。
改定前(〜2026年5月)
精密検査(PSG):AHI 20以上
簡易検査:AHI40以上
改定後(2026年6月〜)
精密検査(PSG):AHI 15以上
簡易検査:AHI30以上
つまり、これまで「AHIが15〜19なので対象外」「簡易検査で30台だったので様子見」と言われていた方が、今回の改定で保険適用での治療対象になりました。
なぜ基準が緩和されたのか
背景には、SASが「いびきの問題」だけではなく、高血圧・心疾患・糖尿病・脳卒中などのリスクに深く関わる全身疾患であるという認識の広まりがあります。
中等症(AHI 15〜19)の段階でも、夜間の酸素低下が繰り返されることで心血管系への負担が蓄積します。また、日中の強い眠気による交通事故・労働災害のリスクも無視できません。早い段階から治療介入することで、これらのリスクを低減するという考え方が、今回の基準緩和の背景にあります。
以前「対象外」と言われた方が再評価を受けるべき理由

過去に検査を受けて「基準に届かない」と言われた方でも、以下のような場合は再評価を受けることをお勧めします。
- 以前の検査でAHIが15〜19・REIが30〜39の範囲だった
- 体重・生活習慣が変化し、症状が悪化している
- 高血圧の薬を飲んでいるのに血圧が下がりにくい
- 日中の眠気・集中力低下が続いている
- 簡易検査のみで「対象外」とされ、精密検査を受けていない
また、体重・年齢・生活習慣の変化によってAHIは変動します。数年前の検査結果がそのまま現在の状態を反映しているとは限りません。
SASを放置するとどうなるのか
SASは「眠れていないだけ」ではありません。夜間に繰り返す低酸素状態が全身に影響します。
- 高血圧:夜間の交感神経刺激により血圧が上がりやすくなる。降圧薬が効きにくい「治療抵抗性高血圧」の背景にSASが隠れているケースがある
- 不整脈・心房細動:夜間の低酸素と交感神経亢進が心臓に負担をかける
- 糖尿病・メタボリックシンドローム:睡眠の質低下がインスリン抵抗性に影響する
- 交通事故・労働災害:日中の強い眠気による居眠りリスク
受診から治療開始までの流れ
STEP 1|初診・問診
いびき・日中の眠気・無呼吸の指摘・生活習慣病の有無などを確認します。
STEP 2|簡易検査(自宅で実施)
手首と指にセンサーを装着して、自宅で一晩測定します。入院不要・仕事を休む必要がありません。
STEP 3|結果説明・治療方針の決定
REI(AHI)の数値と症状をもとに、CPAPの適用を判断します。
STEP 4|CPAP導入・継続管理
機器の説明・マスクのフィッティングを行い、保険適用でのレンタルを開始します。月1〜2回の通院で使用状況・効果を確認しながら継続します。
症状が安定してきたら、3ヶ月に1回の通院で問題ないこともあります。
東京品川フロントクリニックで対応できること
- 簡易睡眠検査の貸し出し:自宅で一晩測定するだけ。仕事を休む必要なし
- 新基準での適用評価:2026年6月改定後の基準で再評価が可能
- CPAP導入・継続管理:保険適用での機器レンタル・定期フォローに対応
- 生活習慣病との一体管理:高血圧・糖尿病・脂質異常症との併存管理も可能
受診の目安・タイミング
⚠ こんな方はご相談ください
・いびき・無呼吸を家族に指摘されている
・以前の検査で「対象外」と言われたが症状が続いている
・日中の眠気・集中力低下が続いている
・高血圧の薬を飲んでいるが血圧が安定しない
・朝起きても疲れが取れない・頭痛がある
よくある質問
以前の検査でAHIが18だったのですが、今なら保険適用になりますか?
2026年6月の改定でAHI 15以上が新たな基準となったため、AHI 18であれば保険適用での治療を検討できる可能性があります。ただし症状や合併症も総合的に判断されるため、まずは受診して評価を受けてください。
CPAPの費用はどのくらいかかりますか?
保険適用の場合、3割負担の方で月5,000円前後が目安とされています(再診料・処方の有無により変動します)。保険適用外でのレンタルは月1〜3万円程度かかるため、保険適用になるかどうかの確認が重要です。
太っていないのにSASと言われることはありますか?
あります。日本人は顎が小さい・舌が大きいなどの骨格的特徴から、肥満がなくてもSASを発症しやすいとされています。やせ型の方でも、いびきや日中の眠気がある場合は検査をお勧めします。
品川でSASの検査・CPAP管理ができるクリニックはありますか?
東京品川フロントクリニックでは、自宅でできる簡易睡眠検査・2026年6月改定後の基準での適用評価・CPAP導入・継続管理まで対応しています。品川駅港南口から徒歩30秒です。

執筆者情報
大谷 真理子(おおたに まりこ)
医療法人社団南州会 東京品川フロントクリニック院長 / 医学博士
【保有資格】
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
井上 哲兵(いのうえ てっぺい)医師
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長 / 医学博士
2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。
同年8月に三浦メディカルクリニックを開院し、以降も以下のクリニックを展開。
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ(1980年創業)
横浜フロントクリニック(2024年5月開院)
東京品川フロントクリニック(2026年1月開院)
自由が丘フロントクリニック(2026年10月開院予定)
新宿区分院(2027年12月開院予定)
三浦メディカルクリニック
【保有資格】
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」
- 日本呼吸器学会・日本睡眠学会『睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020』
- 国立循環器病研究センター「睡眠時無呼吸症候群と循環器疾患」