- 2026年6月13日
食中毒・胃腸炎で内科を受診すべき症状は?品川の内科医が解説

食中毒や感染性胃腸炎は、適切に対処すれば多くの場合数日で回復しますが、症状の程度や原因によっては早めに医療機関を受診することが重要です。「様子を見ていたら脱水がひどくなった」というケースも珍しくありません。
この記事では、食中毒・胃腸炎の症状の見分け方と、内科を受診すべきタイミングについて解説します。
なぜ梅雨から夏に食中毒・胃腸炎が増えるのか
細菌性食中毒は気温と湿度が高くなる6〜9月に集中して発生します。食品中の細菌は35〜40℃前後で最も活発に増殖するため、気温が上がるこの時期は食品の管理に特に注意が必要です。
主な原因菌としては、カンピロバクター(鶏肉の生食・加熱不足)、腸管出血性大腸菌O157(牛肉・野菜)、黄色ブドウ球菌(おにぎり・弁当)、サルモネラ菌(卵・鶏肉)などが挙げられます。
一方、ノロウイルスやロタウイルスによるウイルス性胃腸炎は冬に多いイメージがありますが、夏場も発生します。感染力が強く、家庭内や職場での二次感染に注意が必要です。
食中毒・胃腸炎の主な症状と特徴

細菌性食中毒
原因となる食品を食べてから数時間〜2日以内に症状が出ることが多く、腹痛・下痢・嘔吐・発熱が主な症状です。複数人が同じ食事をして同様の症状を起こした場合は食中毒を疑います。
ウイルス性胃腸炎
突然の激しい嘔吐・水様性の下痢が特徴です。発熱は軽度のことが多く、1〜3日で症状が改善するケースが多いですが、脱水に注意が必要です。感染力が強く、患者の吐物・便の処理には十分な注意が必要です。
単純な消化不良・過食
食べ過ぎや脂っこい食事による一時的な胃もたれ・軽度の腹痛は、多くの場合数時間で自然に回復します。発熱・激しい下痢・嘔吐を伴わない場合は、まず安静と水分補給で経過観察できます。
すぐに内科を受診すべき症状
⚠ こんな症状があれば早めに受診を
・38℃以上の発熱が続いている
・血便・黒色便が出た
・激しい腹痛が続いている
・嘔吐・下痢が激しく、水分が全く取れない
・口の渇き・尿量の減少・めまいなど脱水のサインがある
・症状が3日以上続いている・改善しない
・高齢者・乳幼児・妊娠中・基礎疾患がある方
特に腸管出血性大腸菌(O157など)による食中毒は、血便・激しい腹痛を伴い、重症化すると溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こすことがあります。血便が出た場合は速やかに受診してください。
内科を受診するとどんな対応をするのか
問診・診察
いつから・何を食べたか・同じ食事をした人に同様の症状があるかなどを確認します。腹部の診察で腸の状態を評価します。
検査
必要に応じて血液検査(炎症反応・脱水の程度・腎機能)、便検査(原因菌の特定)を行います。O157などの重症化リスクがある場合は迅速に対応します。
治療
脱水が強い場合は点滴による輸液を行います。細菌性食中毒の一部には抗菌薬が有効ですが、種類によっては使用しない方がよいケースもあります。自己判断での市販の下痢止め使用は、菌や毒素の排出を妨げる可能性があるため注意が必要です。
自宅でできる対処法と注意点
水分補給が最優先
嘔吐・下痢による脱水を防ぐため、経口補水液(OS-1など)を少量ずつこまめに飲むことが重要です。スポーツドリンクは塩分が少なく糖分が多いため、経口補水液の方が適しています。
食事は消化の良いものから
症状が落ち着いてきたら、おかゆ・うどん・豆腐など消化の良いものから少量ずつ始めます。脂肪分・食物繊維の多い食品・乳製品は腸への負担になるため、回復するまで控えましょう。
下痢止めの自己判断使用に注意
細菌性食中毒の場合、下痢止めで腸の動きを止めると菌や毒素が体内に留まる可能性があります。市販の下痢止め薬は受診前に使用しないことをお勧めします。
東京品川フロントクリニックで対応できること

- 内科診察・問診:症状の原因を丁寧に評価します
- 血液検査・便検査:脱水・炎症・原因菌の確認
- 点滴(輸液):脱水が強い場合の補液に対応
- 処方:症状・原因に合わせた適切な薬を処方します
「受診するほどでもないかも」と迷う場合でも、3日以上症状が続く・水分が取れない・血便があるという場合は早めにご相談ください。
よくある質問
食中毒と胃腸炎の違いは何ですか?
食中毒は汚染された食品を食べることで発症し、細菌・ウイルス・自然毒などが原因です。感染性胃腸炎はウイルス・細菌が消化管で増殖して炎症を起こすもので、食品以外(人から人への感染など)でも発症します。症状は似ていますが、原因と感染経路が異なります。
下痢・嘔吐が続いていますが、市販薬で様子を見てもいいですか?
細菌性食中毒の場合、市販の下痢止めで腸の動きを止めると菌や毒素の排出が妨げられる可能性があります。発熱・血便・激しい腹痛を伴う場合や3日以上続く場合は、受診をお勧めします。
脱水かどうかはどう判断できますか?
口の渇き・尿量の減少・尿の色が濃い・めまい・ふらつき・皮膚のハリがなくなるなどが脱水のサインです。水分が全く取れない状態が続く場合は、点滴が必要なケースがあるため早めに受診してください。
品川駅近くで食中毒・胃腸炎を診てもらえる内科はありますか?
東京品川フロントクリニックは品川駅港南口から徒歩30秒にあり、食中毒・胃腸炎の診察・検査・点滴に対応しています。WEB予約またはLINEでご予約ください。

執筆者情報
大谷 真理子(おおたに まりこ)
医療法人社団南州会 東京品川フロントクリニック院長 / 医学博士
【保有資格】
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
井上 哲兵(いのうえ てっぺい)医師
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長 / 医学博士
2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。
同年8月に三浦メディカルクリニックを開院し、以降も以下のクリニックを展開。
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ(1980年創業)
横浜フロントクリニック(2024年5月開院)
東京品川フロントクリニック(2026年1月開院)
自由が丘フロントクリニック(2026年10月開院予定)
新宿区分院(2027年12月開院予定)
三浦メディカルクリニック
【保有資格・所属学会】
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
参考資料
- 厚生労働省「食中毒予防のポイント」
- 国立感染症研究所「感染性胃腸炎とは」
- 日本感染症学会「腸管感染症診療ガイドライン」