- 2026年2月18日
- 2026年2月25日
スギ花粉症の治療キチンとしてますか?花粉症を我慢する時代は終わりを迎えようとしています。
スギ花粉症、辛い季節になってきましたね。日本では毎年春になると、多くの人がスギ花粉症に悩まされます。年々患者数が増えてきていると言われております。今までは大丈夫だったけど今年から症状が出るなんてことはよくあることです。ここでは、日常生活での注意点から基本的な治療法、そして重症例に使われる「ゾレア治療」まで、わかりやすく東京品川フロントクリニックの院長 大谷(呼吸器専門医・内科認定医)が解説します。
■ スギ花粉症とは?
スギ花粉症は、体の免疫システムがスギ花粉を「有害な異物」と誤認して過剰に反応することで起こるアレルギー疾患です。
主な症状は:
- くしゃみ
- 鼻水(透明でサラサラ)
- 鼻づまり
- 目のかゆみ・充血
- 涙目
- のどの違和感
- 倦怠感や集中力低下
症状が強いと、仕事や学業のパフォーマンスにも大きく影響します。医療費を気にして花粉症状を我慢し続けると、仕事の生産性が落ちてしまう事を改めて意識する必要があります。キチンと適切な対策・治療をして仕事をすることで、医療費分を取り戻すくらいの成果をあげるようにした方がいいのでは無いでしょうか。
順番に確認していきましょう!!
■ 日常生活での注意事項
薬だけに頼らず、単純に「花粉を避ける」ことがとても重要です。
① 花粉を体に入れない工夫
- 花粉飛散情報をチェックする
- 飛散量が多い日は外出を控える
- マスク(不織布マスク推奨)を着用
- 花粉対策用メガネを使用
- 帰宅時は衣類についた花粉を払ってから室内へ
② 室内対策
- 洗濯物は室内干しが理想
- 空気清浄機の使用
- こまめな掃除(特に床)
- 窓の開放は最小限に
③ 体調管理
- 睡眠不足を避ける
- アルコールを控えめに(鼻づまり悪化の原因)
- バランスの良い食事
■ 基本的な治療法(薬物療法)
スギ花粉症の治療は主に3つあります。
① 内服薬(飲み薬)
● 抗ヒスタミン薬
くしゃみ・鼻水・目のかゆみに効果があります。
最近の第2世代抗ヒスタミン薬は眠気が出にくいのが特徴です。ただし個人差があり、車の運転などには注意が必要です。運転をする人は医師に運転ができる薬なのかを確認する必要があります。
② 点鼻薬(鼻スプレー)
● ステロイド点鼻薬
鼻づまりに特に効果的です。
「ステロイド」と聞くと不安に思う人もいますが、点鼻薬は局所作用で全身への影響は非常に少ないとされています。
花粉シーズン中は毎日継続して使うことが大切です。
③ 点眼薬
目のかゆみ・充血に使用します。
- 抗アレルギー点眼薬(コンタクトを使用をする場合は医師にお申し出ください。)
- 重症例ではステロイド点眼薬(眼科医師管理下が必須。眼圧が上昇してしまうことがあります。)
目をこすらないことも重要です。
■ 重症スギ花粉症の治療 ― ゾレアとは?
通常の治療でも改善しない重症患者に使われるのが
**ゾレア(一般名:オマリズマブ)**です。
● ゾレアの仕組み
スギ花粉症は、「IgE抗体」という物質が花粉と反応して症状を引き起こします。
ゾレアは、このIgE抗体に直接結合し、アレルギー反応そのものを抑える抗IgE抗体製剤です。
つまり、
「症状を抑える薬」ではなく
「アレルギー反応の大元をブロックする薬」
という点が大きな特徴です。
● どんな人が対象?
以下のような条件を満たす人が対象になります。
- 重症~最重症のスギ花粉症
- 通常治療(内服・点鼻・点眼)でもコントロール不良
- 血液検査でIgE値が一定範囲内
- 体重などの条件を満たす
保険適用には厳格な基準があります。
● 投与方法
- 2週間または4週間ごとの皮下注射
- 花粉シーズン前〜飛散期に実施
医療機関での投与が必要です。
● 効果
- 鼻づまりの大幅改善
- 生活の質(QOL)の向上
- 睡眠の改善
- 仕事・学業への影響軽減
重症患者にとっては「劇的に楽になる」と感じるケースもあります。
● 注意点
- 費用が高額(保険適用でも自己負担あり)
- まれにアナフィラキシーなどの副作用
- すべての人に効くわけではない
必ず専門医と相談が必要です。
※ゾレアはアレルギー診療を行ってきた経験を持つ医師のみが取り扱うことができる薬です。一般内科のクリニックでは扱うことができません。
■ まとめ
スギ花粉症は「体質だから仕方ない」と我慢する病気ではありません。
治療は段階的に選択できます:
- 生活対策
- 内服・点鼻・点眼
- 重症例ではゾレア治療
症状が強い場合は、早めに耳鼻咽喉科やアレルギー専門医を受診しましょう。
適切な治療を受けることで、春を「つらい季節」から「普通に過ごせる季節」へ変えることができます。
執筆者情報
大谷 真理子(おおたに まりこ)
医療法人社団南州会 東京品川フロントクリニック院長 / 医学博士
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
【保有資格】
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
井上 哲兵(いのうえ てっぺい)医師
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長 / 医学博士
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。同年8月に三浦メディカルクリニックを開院し、以降も以下のクリニックを展開。
横浜フロントクリニック(2024年5月開院)
東京品川フロントクリニック(2026年1月5日開院)
目黒区分院(2026年9月開院予定)
新宿区分院(2027年12月開院予定)
【保有資格・所属学会】
緩和ケア研修会修了医
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
日本医師会認定産業医
厚生労働省認定 臨床研修指導医
身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)
難病指定医(呼吸器)