• 2026年2月16日

高血圧はなぜ治療しなくてはならないの?

高血圧とは?基準と放置のリスク、治療法をわかりやすく解説

「血圧が少し高いですね」と言われても、すぐに症状が出るわけではないため、つい放置してしまう方も少なくありません。しかし高血圧は“サイレントキラー(静かな殺し屋)”とも呼ばれる病気。自覚症状がないまま、確実に体へダメージを与えていきます。

この記事では、高血圧の基準、放置するとどうなるのか、そして治療法(薬物療法・非薬物療法)について、医療知識がない方にもわかりやすく解説します。


高血圧の基準とは?

血圧とは、血液が血管の壁を押す力のことです。

血圧には2つの数字があります。

  • 上の血圧(収縮期血圧):心臓がギュッと縮んだときの圧力
  • 下の血圧(拡張期血圧):心臓が広がったときの圧力

日本の高血圧の基準

日本高血圧学会のガイドラインでは、家庭血圧で次のように定められています。

区分収縮期血圧拡張期血圧
正常血圧115未満75未満
正常高値血圧115~12475未満
高値血圧125~134または 75~84
高血圧135以上または85以上

※家庭血圧の場合は「135/85mmHg以上」で高血圧とされます。

ポイント

どちらか一方でも基準を超えていれば「高血圧」です。


高血圧を放置すると何が起こる?

高血圧が怖いのは、「痛みがないまま血管を傷つけ続ける」ことです。

血圧が高い状態は、ホースに強い水圧がかかり続けているようなもの。血管の内側が徐々に傷つき、硬くなっていきます(動脈硬化)。

その結果、次のような重大な病気につながります。

① 脳の病気

  • 脳梗塞
  • 脳出血

突然倒れる、半身まひが残るなど、生活に大きな影響を与えます。

② 心臓の病気

  • 心筋梗塞
  • 狭心症
  • 心不全

命に関わる病気です。

③ 腎臓の障害

  • 慢性腎臓病

進行すると人工透析が必要になることもあります。


つまり、「症状がない=安全」ではないのです。


高血圧の治療法

高血圧の治療は、大きく分けて

  1. 非薬物療法(生活習慣の改善)
  2. 薬物療法(血圧の薬)

の2つがあります。


① 非薬物療法(生活習慣の改善)

軽度の高血圧では、まず生活改善から始めます。

1. 減塩

日本人は塩分摂取量が多い傾向があります。

目標は 1日6g未満

  • みそ汁は1日1杯まで
  • 漬物・加工食品を控える
  • 煎餅などの菓子類もなるべく控える。

これだけでも血圧は下がります。


2. 適度な運動

ウォーキングなどの有酸素運動を

  • 1回30分以上
  • 週3~5回以上

続けると効果的です。


3. 体重管理

体重が1kg減ると、血圧も下がる傾向があります。


4. 節酒

飲みすぎは血圧を上げます。


5. 禁煙

タバコは血管を強く傷つけ、動脈硬化を進行させます。

また、ニコチンに血管を収縮する働きがあり血圧が上昇します。


② 薬物療法(血圧を下げる薬)

生活改善だけで十分に下がらない場合や、すでに合併症がある場合は薬を使います。

代表的な薬の種類は次の通りです。

1. ARB・ACE阻害薬

血管を広げる薬です。
腎臓や心臓を守る効果もあります。


2. カルシウム拮抗薬

血管の筋肉をゆるめて血圧を下げます。


3. 利尿薬

余分な塩分と水分を尿として排出します。


薬は一生飲み続けるの?

必ずしも一生ではありません。

生活習慣が改善し、血圧が安定すれば減量や中止できる場合もあります。ただし、自己判断で中止するのは危険です。


まとめ

高血圧は

  • 自覚症状が少ない
  • しかし重大な病気の原因になる
  • 早めの対策で防げる

という特徴があります。

特に40歳を過ぎたら、定期的な血圧チェックをおすすめします。

「まだ大丈夫」ではなく、
「今から守る」ことが将来の健康につながります。

執筆者情報

大谷 真理子(おおたに まりこ)
医療法人社団南州会 東京品川フロントクリニック 院長/医学博士
日本呼吸器学会 呼吸器専門医

【保有資格】

  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本呼吸器学会 呼吸器専門医
  • 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医

井上 哲兵(いのうえ てっぺい)
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長/医学博士
日本呼吸器学会 呼吸器専門医

【保有資格・所属学会】

  • 緩和ケア研修会修了医
  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本呼吸器学会 呼吸器専門医
  • 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
  • 日本医師会認定産業医
  • 厚生労働省認定 臨床研修指導医
  • 身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)
  • 難病指定医(呼吸器)

医療法人社団南州会フロントクリニックグループ一覧

全て内科・呼吸器内科専門クリニックとなります。

東京品川フロントクリニック 03-6456-5040 ホームページ